暗く静かな部屋の中、山本は着ていた服を全部脱いだ。これでツナと同じ、生まれたままの姿。

比べる対象が自分なのはどうかと思ったけれど、鍛えられた逞しい腕だとか割れた腹筋だとか、すべてが自分と同じ人間とは思えなくてツナはその姿に見惚れた。

「んな見られっと照れる」

「あ、ごめ・・っ」

慌てて視線を外したけれど、お互い裸でどこを見たらいいのかわからなくて、視線を宙に泳がせた。







7. 交わる






「・・ツナ、」

「え、・・わっ!?」

呼ばれて顔を上げたのと同時に、ツナは山本の膝の上に乗せられた。

「やま・・っ、」

いつもより至近距離で顔が熱くなる。いつもより素肌が触れ合っていて身体が熱くなる。

「近いな」

照れたように笑って山本は、ちゅ、と唇を合わせた。

「ツナ、・・最初、痛いかもしんねーけど、我慢してな?」

「へ?」

背中へ回した手を下に滑らせて、ツナの後孔にそっと触れた。触れた瞬間、ツナがびくりと身体を震わせる。

「やまもと・・っ」

「あぁ・・、こわいよな?・・大丈夫、俺がいるから」

安心させるように、山本はツナをぎゅっと抱きしめる。ツナは小さく頷くと、山本の逞しい腕をぎゅっと掴んだ。

ちら、とツナを視界に入れる。ぎゅっと目をつむり眉間に皺を寄せている。不安からか、少し震えているようにも見える。



「・・・・ツナ、ごめんな?」



囁くようにそう言って、そこに人差し指の先を入れた。

「ひ・・っ!?」

その瞬間、ツナの身体に一気に鳥肌が立った。ぽんぽんと背中を撫でて、少しずつそれを奥に入れる。

「いぃ・・っ!?」

山本の指は太いわけでもないけれど、その刺激はあまりにも痛く、ツナの目尻に涙が浮かんだ。

ふと山本は思い出して、入れた指を一回引き抜くと、もう萎えかけたツナのそれを握る。そして親指で軽くこする。さっきまで痛かったと思ったら、またあの快感を与えられて、腰の辺りがじんわりと熱くなった。

「ぁふ・・っ」

そうしてツナの先端から出てきたとろりとしたものをすくうと、それを人差し指に付けてツナのうしろの小さな穴に塗る。

「ひ、ぁ・・っ」

またあの痛みがやってくると感じて、ツナの身体がもう一度強張った。

「・・さっきよりはへーき、と思う」

そう言ってそこへ人差し指を差し入れる。

「い・・っ!?」

そうは言うが、さっきと大して痛みは変わらない。

「痛い・・?」

山本の問いに、こくこくとツナは頭を振った。

「痛いか・・。でもこれしとかねーと、これから先もっと痛ぇから」

「・・へ・・?」





「あんな、最終的にはこれを入れようと思ってるのな」





ツナの片手を取って、自分のそこを握らせてやる。さっきより太さが増したような気がするのは、ツナの気のせいか。

「・・・っ!?」

「だからな、ツナにはここにものが入るって覚えさせとかねーと」

「・・む、むり・・っ!」

指一本だけでもこんなに痛いというのに、こんなものを入れられた日にはきっと悲鳴を上げてしまう。

「大丈夫、すぐ慣れるよ」

いつもなら山本が言うなら本当のことのように思えるが、今日はそうは思えなかった。というより、最終的にこんなものを入れようとする山本がこわい。ツナは首を横に振った。

「ツナ、俺を信じて・・」

耳元で囁いて、入れた人差し指をくいっと動かした。

「はぅ・・っ!?」

瞬間、頭がぐらんと揺れたような気がした。

「ぃ、いたぃ・・ぃっ」

容赦なく指を動かす山本が、今日は鬼のように見える。いつもはあんなに優しいのに。あまりの痛さにツナは遂に涙をこぼした。

「ツナ、もうちょっと我慢して・・」

痛い痛いと涙をこぼすツナに、山本はただ背中を優しく撫でてやることしか出来なかった。








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どうにもこれ以上は優しく出来ませんでした。
2007.06.07
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