その日は朝から雨が降っていた。

「お、ツナ」

「あ、山本」

二つの違う目線が重なった。







1. 触れる






今日の体育は体育館でフォークダンス。

女子の人数が足りなかったせいで、男子の中で一番背の低かったツナが、足りない女子の代わりをしていた。

「違和感ねーな、ツナ」

「うるさいよ!」

小さな手を大きな手が包む。

どきりと心臓が鳴った。







「で、どーだった?女役」

体育を終え着替えも終え教室への帰り道、山本はさっきのことを思い出して冗談っぽくそう聞いた。

「・・・バカにしてる?」

き、と睨むと山本は悪びれる様子もなく笑う。

「してねーって。俺、女役したことねーからどんなんかなーって」

「やっぱバカにしてる!」

あはは、と山本が笑うと、ツナは山本の腕を叩いた。

「わり。んでも、獄寺が今日休みでよかったな」

「?なんで?」

あいつにだけは、ツナを触れさせたくねーから。

そう言おうとした口を寸前のところで止めた。

「あいつ、また花火とか出しそうじゃね?10代目が女役とはどーゆーことだ、とかなんとか」

ツナのことになると一生懸命だからなぁ。

「あはは。そうかも」

安易にそれが目に浮かんで、ツナもつられて笑った。








next


ツナがフォークダンスで女役とか・・・
萌えるじゃないか!(なに)
2007.05.19
[PR]動画