8. 突き上げる 「ぁ、はぁ・・っ」 最初はゆるゆると、ただ出し入れだけを繰り返した。それから徐々にそれを早くする。 まさかツナの方からそんなことを言ってくれるなんて思ってなかった。すでにそれと同じ頃、山本もあれだけの刺激では物足りなかった。だから、もっと早く動かしてもいいかと聞こうとしたところだった。 それがツナの方から先にそんなお願いをしてくれるなんて。求められてるみたいでうれしいじゃないか。 うれしいけど、でも、そんなことを言われたら、たぶんもう抑えが利かない。と思う。 現にほら、もう、 「あぁっ、あっ・・!」 動かしてほしいとは言ったけれど、さすがに指とは太さも大きさも違うだけあって、それはツナの奥の方まで届いた。 「んぁっ、ぁ・・っ!」 がんがん、と、まさにその言葉がぴったりなように、山本はツナを攻める。 ツナの口からは、さっきから同じ言葉しか出てこなくて、そのどれもが女の子みたいな高い声だった。だけどそれは止められない。頭の中がぐらぐらと揺れて、少しずつ真っ白になっていく。 「あっ、あっ・・!」 「すげ・・、ツナ・・」 山本が出し入れを繰り返すたびに、ツナのそこはきゅうきゅうと山本を締め付けた。 「ふ、ぁ・・っ、やま、も、とぉ・・っ!」 たった今目の前で淫らに喘ぐ彼は、普段の幼さなどどこにもない。ただ快楽に溺れて与えられる刺激に嬌声を上げ、自分の名前を繰り返し呼ぶ。 上気した頬も荒い息遣いも潤んだ瞳も濡れた唇も、全部自分のせい。自分がそれを彼に教えたから。 キスも自慰もセックスも、人間が感じる快楽のすべてを教えたのは自分で。なにも知らなかった無垢な彼を、自分が汚した。 そう思うと、頭がどうにかなりそうになった。 「ツナ・・」 誰にも見せたくない。誰にもあげたくない。彼のこの姿を。彼のこの身体を。 ツナと付き合い始めてからそうだとは思っていたが、これが独占欲なのかと改めて感じた。 「んっ、ぁ、やぁ・・っ!」 二人の繋がったそこから溢れる音と、ツナの口から零れる音と、窓の外から聞こえる雨の音が混ざって聞こえる。 「ツナ・・っ」 「あ、あんっ、あ・・っ!」 「ツナ、ツナ・・っ」 「やぁっ、ぁっ、・・ふ、ぅ・・っ!」 ぐちゃぐちゃと、ツナの中を掻き回す。ツナの中は熱くて甘くてとろけそうだ。 「ツナ・・っ」 「や、・・っも、とぉ・・っ!」 「はぁ・・・、ツナ、イキそ・・?」 ぎゅっと背中に爪を立てられたので、そろそろかと思い山本はそう聞いた。 「はっ、ぁ・・、ど、こに・・?」 ツナの答えに、思わず笑みが零れる。 「出ちゃいそ、な、とき、な・・っ、イクって、ゆーん、だ、って・・っ」 なんでかよくわかんねーけど、と山本はまた一突きする。 「あんっ、ん・・っ!」 「・・ツナ、イキそ・・?」 「・・っ、いく・・」 こくりと頷き、潤んだ瞳でそう答えられ、山本は一瞬息が出来なくなった。 なんて顔するんだ、ツナ。 「・・・やっぱツナ、天然だ・・っ!」 「ふぇ・・?・・っ、あぁ・・っ!」 山本は言い終わるより早く、一際大きくツナを突き上げた。 |
真っ最中の描写を言葉にするのはむずかしい。 |
2007.06.16 |